今回は「後見人について」解説いたします。
所有者が高齢者の方向けのお話です。
一般的に、売主様が痴呆症などによって意思能力がないとみなされた場合、勝手な資産処分を防ぐために、委任状等があっても売買契約は白紙になってしまいます。
それでも老人ホームへの移設費用や介護費用の捻出のため、不動産などの財産を処分したい方達のためにつくられた制度が後見人制度です。
後見人制度は
①まだ痴呆が進んでいない場合(任意後見人制度)
②痴呆が進んでしまった場合(法定後見人制度)
の2つがあります。
①任意後見人制度について*不動産の売却には直接関係はないです*
所有者の方の意思能力がはっきりしているうちに、所有者本人が親族等を任意後見人として選び、公証人役場で任意後見契約を結び、判断能力が衰えてきた時に家庭裁判所で改めて手続きを行います。
(任意後見人のメリットについて)
老人ホームの入居申請から入居手続き
要介護認定の申請
介護・入院費用の支払い、入院手続きなどができるようになります。
(任意後見人のデメリットについて)
・痴呆が進んでしまったら、法定後見人制度を利用しなければならない。
②法定後見人制度について
裁判所が法定後見人を選びます。
親族間で争いがある場合は、弁護士等の第三者が選ばれます。
(法定後見人のデメリットについて)
・申し立てから法定後見の開始まで4,5カ月かかります。
・医師等に精神状態を鑑定する必要がある場合は5~10万円費用がかかります。
・財産を処分するまでの間、月額も2~6万円ほどかかります。
・後見人に選ばれる方は、会社役員はなれません。既に役員の方は役員を変更する必要があります。(その場合弁護士や司法書士を選んだ方がスムーズです)
・生前贈与等、所有者の利益にならないことはできなくなります。
・裁判所に契約書の案を送付し許可を得る必要があるため、契約までの時間がかかります。
(不動産の売買契約ができるギリギリの意思能力の場合、委任状にて親族へ不動産売却を任せて、なるべく痴呆のジャッジがゆるい司法書士にて所有者の意思確認をし、契約をすることがお勧めです。)
司法書士も黒な状態を白と言ってしまい問題が発覚すると免許をはく奪されてしまいますので、無理は言えないようです。
今回の内容は以上です。
ご不明な点がございましたらお気軽にお申し付けください。
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