今回は「不動産売却と越境について」について解説いたします。
マンションのご売却には関係がありませんが、戸建や土地の不動産売却には越境が売買契約の解約原因になってしまうこともあります。
ご契約からお引渡しまでの間に越境の解消を求められる越境物の代表例として
①樹木や枝葉の越境
②塀やブロック塀の越境
③建物の軒(のき)等の越境
が挙げられます。
①の枝葉の越境につきましては法律が改正され、売却を検討されている方に有利になりました。
法律によると
■改正法(竹木の枝の切除および根の切り取り)
第233条 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3 第1項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
(1)竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにも関わらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
(2)竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
(3)急迫の事情があるとき。
4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
大きく変わった点は第3項で、お隣さんに通知をして枝を切ってくれない場合は枝をこちらで切ってもいいようになりました。(以前は切れなかったので、そのままでした。)
②ブロックや塀の越境は少し厄介です。
枝葉と違って気軽に越境を解消できません。
境界の位置によって、(1)塀がこちらのものか(2)お隣さんのものか(3)共有か
それによってすべきことが変わります。
(1)塀がこちらのものなら問題がありません。
(2)隣地のもの(3)共有の場合は「今は壊さなくてもいいけど、将来隣地が建て替えをする際には越境を解消するようにブロック・塀を建て替えるという覚書」を隣地の人に署名押印をいただく必要があります。
この覚書をもらえないと、買主様によってはせっかくの売買契約を白紙解約されてしまうのです。
買主が買取業者の場合は「ブロック・塀を買主のお金で新しくするので、今壊して新しくさせてください」といった買取業者もいます。
その方が多少費用が掛かっても、建売を建て替えた時に高く売却できると見込んでいるためです。
③建物の軒等が越境している場合
これも②のブロック・塀と同じで隣地が建て替えの時に、越境を解消するように約束する覚書を交わしてもらわないと、売買契約が白紙になってしまうことがあります。
測量にお隣さんの押印が必要になる件もそうですが、お隣さんとの関係は非常に大切です。
今回の内容は以上です。
ご不明な点がございましたらお気軽にお申し付けください。
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